NISTトレーニング概要

NIST STM for sUAS / sUAV-STM

NISTトレーニング概要
国際標準の「基準」で、操縦技能を数値化する。

米国国立標準技術研究所(NIST)が開発した操縦技能の標準性能試験法。バケットターゲットを使った課題で、操作の「正確性」と「所要時間」を数値化・可視化します。

国際標準の試験法
定量評価・可視化
初心者〜上級者まで対応

What is NIST Training

なぜ「基準」が必要なのか。

感覚や腕前に頼らない、国際標準の技能試験法です。

NISTドローストレーニング(正式名称:NIST STM for sUAS / sUAV-STM)とは、米国国立標準技術研究所(NIST)が開発した、ドローン(小型無人航空機)の操縦技能を定量的・客観的に評価・訓練するための標準性能試験法です。

元々はアメリカの消防や警察、防衛関連などの災害対応チーム向けに、操縦士の技術や機体性能を正確に測る「基準」として研究・導入されました。現在では、明確な目標を持って効率的に操縦スキルを向上させられるトレーニング手法として、日本のドローンスクールや消防局などでも広く取り入れられています。

従来の技能確認は「なんとなく上手く飛ばせた」という主観に左右されがちでした。NISTトレーニングでは課題ごとに正確性と時間をスコア化するため、訓練前後の成長や隊員間の技量比較を、データとして客観的に確認できます。

※ 出典:NIST「Standard Test Methods for Response Robots」/当校「防災時リアルマニューバ(実戦)トレーニング」ページ

消防訓練施設で実施するNISTトレーニング(バケットスタンドとドローン)の様子
消防訓練施設で実施したNISTトレーニングの様子

Features

主な特徴。

簡易なキットと標準化された課題で、誰でも・繰り返し・公平に測定できます。

01

バケツを使った簡易な仕組み

木材や樹脂製のバケツを様々な高さや向きに設置した簡易的なキット(スタンド)を使用します。バケツの底や内側にはサークル、アルファベット、数字などが書かれたステッカーが貼られています。

02

数値による客観的な可視化

ドローンを飛行させてバケツ内を正確にカメラで撮影・視認できたか(正確性)と、それにかかった「時間」を数値化します。従来の「なんとなく上手く飛ばせた」という主観的な評価ではなく、データとして成長を実感できます。

03

あらゆるレベルに対応

操縦方法が細分化された複数のプログラムが用意されているため、初心者から上級者まで効率よくステップアップできます。

Global Adoption

海外での採用状況。

米国発の標準試験法として、公共安全ドローン運用の分野で広く普及しています。

Japan Timeline

国内での採用状況。

2019年の消防局での実施を起点に、ドローンスクールや公式認定試験の仕組みが整備されています。

1

消防局での実施2019年10月

川口市消防局が全国に先駆けて、消防隊員・救助隊員を対象にSTM for sUASの訓練を実施。評価基準を明確にし、操縦者の技能を可視化・定量化する目的で導入されました。

※ 出典:ドローンジャーナル(2019年11月5日・ヘキサメディア発表)

2

ドローンスクールへの採用2021年3月

ドローンスクールお台場が、操縦士のさらなるスキルアップ支援のため『STM for sUAS』を採用。民間スクールでも標準試験法による技能確認が始まりました。

※ 出典:ハートブレーン(hb-j.jp)ニュースリリース

3

認定テストサイトの誕生2022年4月

ドローンスクールJWEDA戸田校が、民間ドローンスクール国内初のNIST sUAV-STM Test Site認定校となりました。

※ 出典:日本無人航空機運行管理協会(JWEDA)

4

公式認定試験の本格化2022〜2023年

DPA認定校で日本初のNIST sUAV-STM公式認定試験が実施され、第2回・第3回と継続。NIST sUAV-STM IRS認定の公式テストサイトから公式レポート発行も行われています。

※ 出典:一般社団法人ドローン操縦士協会(DPA)/DWSTC

5

現在2026年

ドローンスクールや消防局などへの導入が広がり、技能を「数値で確認・比較する」トレーニング手法として定着しつつあります。当校でもNIST基準をベースにした実戦トレーニングを実施しています。

Test Methods

試験・トレーニングのしくみ。

バケットターゲットを使った課題で、正確性と所要時間を測定します。

バケット(バケツ)スタンドは、ホームセンターなどで入手できる身近な材料で構成できるのが特長です。米国では「個人単位でも訓練できるシンプルさ」がNISTの試験法設計のポリシーとされており、川口市消防局での実施報道でもこの点が紹介されました。

国内の公式認定試験では、操縦方法を細分化した次の5項目(MAN/PAY 1〜5)の課題が実施されています(参考:DWSTC)。

MAN/PAY 1 指定場所を正しく飛行
MAN/PAY 2 大きく周回飛行
MAN/PAY 3 目標物の周りを小さく周回飛行
MAN/PAY 4 目標物の上空を旋回飛行
MAN/PAY 5 指定位置まで長距離飛行

各課題では、図柄をドローンで正確に位置どり、カメラ操作を行い、決められた条件のなかで撮影・視認を完了させます。成功の正確さと所要時間がそのままスコアになります。

当校のNISTトレーニングでは、この基準をベースに段階的な練習プログラムを構成。初心者は基本操作の土台づくりから、経験者はタイムトライアルでの記録更新など、レベルに応じた取り組みが可能です。

MEASURE 1正確性 — バケツ内の図柄を正確に撮影・視認できたかを判定します。
MEASURE 2所要時間 — 課題完了までの時間を測定し、タイムを短縮します。
MEASURE 3フィードバック — スコアの変化から、強みと改善点を具体的に把握できます。

基準値を一覧で整理。

NISTの標準試験法では、コース構成・配点・習熟度判定が数値で定められています。以下はNIST公式クイックスタートガイド(MAN/PAY、2019年8月版)に基づく基準値の整理です。

コース・ターゲットの基準値

項目 基準値 備考
課題の構成 MAN 1〜5 + PAY 1〜5 の計10課題 操縦(MAN)とペイロード機能(PAY)を同じコースで実施
バケット 2ガロン(直径8in≈20cm)または5ガロン(直径10in≈25cm) 底面に幅5/8in≈1.6cmの刻印リング(整列判定用)
バケット数・識別子 23個 = 数字1〜3が3個 + アルファベットA〜Tが20個 数字は上面垂直、字母は45°傾斜と水平に設置
設置間隔 1X = 10ft/20ft/30ft など(≈3.0〜9.1m) Xは基準距離。習熟度に応じて間隔を拡張
コース全長 4X = 40ft/80ft/120ft など(≈12.2〜36.6m) 設置間隔1Xに対して全長を4倍に設定
飛行高度 常に 1X と 2X の2段階 課題により1X・2Xを使い分け
PAYターゲット ランドルト環(同心円C)・缺口8方向・サイズ5段階 ギャップが小さいほど高得点(視認精度を評価)

MAN/PAY 課題別の基準値

課題 テーマ 内容 規模
MAN/PAY 1 Position(位置保持) ホバリングの安定性・基本機動・着陸精度 1ラップ・20タスク
MAN/PAY 2 Traverse(横移動) ラインに沿った左右両方向の横移動・着陸精度 2ラップ・20タスク
MAN/PAY 3 Orbit(周回) 周回しながら識別(左右両方向・高度1X/2X) 4ラップ・20タスク
MAN/PAY 4 Spiral(螺旋・自由飛行) 近接点検を想定した自由飛行(距離・高度は任意) 1ラップ・20タスク
MAN/PAY 5 Sustain Speed / Deliver(速度維持・投下) ラインに沿った最高速度飛行(距離5X・高度X)と正確な投下・配置 20X距離/ラップ

採点・習熟度判定の基準値

項目 基準値 備考
評価指標の優先順位 ① スコア → ② 信頼性・視認精度 → ③ 効率 この順で評価・記録
MANの配点 1整列につき1点・満点20点 20バケットの整列判定
PAYの配点 1ターゲット5つのランドルト環識別・満点100点/ラップ 識別できたサイズ数で加点
PAY 5の配点 直径4〜20ft(≈1.2〜6.1m)の投下精度で20点ずつ・満点100点 最重量物の投下で判定
時間計測 離陸と同時にタイマーを開始し、経過時間を記録 制限時間の規定なし
効率の指標 Tasks per Minute(1分あたりの完了タスク数) 他の操縦者・機体との比較に使用
習熟度 Lv.4 Proficient(熟練)= 80〜100% 目安となる最上位帯
習熟度 Lv.3 Competent(適応)= 60〜79%
習熟度 Lv.2 Partially Proficient(部分習熟)= 40〜59%
習熟度 Lv.1 Limited(限定)= 20〜39%
合格基準 一律の規定なし エキスパート操作員のスコアや平均値(軍・民間)をベンチマークに、各組織が目標値を設定
国内の公式認定試験の例 各項目13,200円(税込)/5項目一括55,000円(税込) NIST sUAV-STM IRS公式レポート発行(DWSTC)

※ 出典:NIST-ASTM-NFPA「Maneuvering (MAN 1-5) and Payload Functionality (PAY 1-5) Quick Start Guide」(2019年8月20日版)/DWSTC「NIST sUAV-STM IRS公式レポート発行試験」。単位はSI・ヤード・ポンド法の両方が規定されており、近似換算で表記しています。詳細は最新の公式資料をご確認ください。

For Whom

こんな方々・組織のために。

「数値で確認できる技能」は、個人だけでなく組織の訓練計画にも役立ちます。

これからドローンを始めたい初心者細分化されたプログラムで、基礎操作から無理なくステップアップできます。
スキルを数値で確認したい経験者「なんとなく」ではなくデータで成長を実感でき、練習のモチベーションになります。
消防・防災・自治体の皆さま訓練前後の技能変化を客観的に評価・記録し、隊員育成の計画に活かせます。
企業・教育機関安全運用研修や操縦者の選抜・評価基準として標準化された指標を利用できます。

FAQ

よくあるご質問。

受講に必要な資格や機材はありますか?
特別な資格は不要です。機体のご相談も可能です。なお公式認定試験をご希望の場合は、各認定サイトが定める要件をご確認ください。ご希望に応じて最適なご案内をいたします。
どのくらいの時間で受けられますか?
課題は細分化された複数のプログラムで構成されるため、単発の体験から、1日かけて実戦条件まで慣らすコース(「防災時リアルマニューバ(実戦)トレーニング」内のNISTトレーニング)まで、ご希望に応じて構成します。
初心者でも受けられますか?
はい。操縦方法が細分化された複数のプログラムが用意されているため、初心者から上級者まで効率よくステップアップできます。
個人でも団体でも受講できますか?
個人の方から、消防・自治体・企業の団体様まで対応します。飛行スペースが確保できる場合は出張講習も可能です。団体様は訓練の目的に合わせて内容をカスタマイズできます。
料金はいくらですか?
料金並びに詳細はお問い合わせください。ご希望の訓練内容をお知らせいただければ、最適なご案内をいたします。

料金・開催日程について

NISTトレーニングは、料金並びに詳細はお問い合わせください。ご希望の内容をお伺いし、最適なプログラムをご案内いたします。

お問い合わせはこちら

NIST基準の課題を実技に組み込んだ1日コースは「防災時リアルマニューバ(実戦)トレーニング」ページをご覧ください。

標準試験法で、あなたの飛行を数値から鍛える。

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